受講概要
受講形式 会場受講のみ 予備知識 ・中学・高校程度の力学 ・材料力学(できれば、材料強度学も) 習得知識 1)締結計算の基礎知識 2)ねじ締結部のゆるみ機構 3)ゆるまないようにするための手法 4)ゆるみ試験時の注意事項
講師著書:「増補 ねじ締結概論」 養賢堂発行 を進呈します。 テキストとして使用します。 講師の言葉 ある部品を締める場合に、どのようなボルト(サイズ・強度)を使い、どこまで締めればよいかを 力学的な根拠をもって決定しているだろうか? 勘やフィーリング、類似商品の模倣などから決めて いるようでは、時として問題を起こしたり、逆に大幅に過剰品質になっていたりする。 不具合が無くかつ過剰品質でもないいわゆる最適設計に近づけないと最近の厳しい企業間競争に勝てない。 少なくとも、ねじ締結部に発生し得る全ての不具合を起こさないように、検討洩れのない設計をしなければ ならない。 このセミナーでは、ねじ締結部にとって最も大きな問題である「ねじのゆるみ」に的を絞って解説する。 すなわち、ねじ締結計算にとって不可欠なねじの力学の解説を最初にし、本題のねじのゆるみに ついて①その発生メカニズム、②その防止法、③望ましいボルト形状についてわかりやすく解説する。 次いで、締結体設計方法の流れ、ゆるみに重点を置いてねじ締結体の信頼性評価時の注意点に ついて解説する。
プログラム
Ⅰ. ねじ締結の基本
・ ねじの力学
Ⅱ. ゆるみの発生条件とその防止方法
1 回転ゆるみ機構
a)せん断荷重を受ける場合
b)ねじり荷重を受ける場合
c)引張荷重を受ける場合
2 非回転ゆるみ機構
a)被締結体の摩耗
b)被締結体のなじみ・へたり
c)ボルトの塑性伸び
d)ボルトと被締結体の熱膨張差
e)ボルト・被締結体のクリープ変形
3 ゆるみ防止方法
a)回転ゆるみの防止方法
b)非回転ゆるみの防止方法
c)望ましいボルトの形状
Ⅲ. ねじ締結体のゆるまない設計方法
・ 概略
Ⅳ. ねじ締結体の信頼性評価方法
1 供試品の条件
2 試験荷重
3 ゆるみ測定方法
4 軸力の測定方法
※閉講後 全体質疑・応答(約30分間)予定
講師紹介 略 歴 名古屋大学工学部機械学科卒、 名古屋大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程修了(1966.3) トヨタ自動車工業(株)(2001.9 定年退職 ) トヨタテクニカルディベロップメント(株)(2007.3 定年退職 ) 酒井ねじ締結相談室 所属学会 日本機械学会フェロー