受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 製造販売業者のコーポレットQA員および製造業者のサイトQA員 予備知識 特に必要ありません 習得知識 1)単なる書類監査で終わらない実効性のある監査にするためのポイント 2)添加剤メーカー、資材メーカー、製造受託者の選定ポイント 3)倉庫室・製剤室。包装室・試験検査室等のプラントツアー時の監査ポイント 4)文書記録類の監査ポイント 5)監査員としての心得 など 講師の言葉 2021年8月に施行された改正GMP省令は、法令順守の徹底、ならびに品質リスクマネジメント(QRM)を活用して医薬品品質システム(PQS)を構築・実践・レビューすることを要請する。このため実戦部隊となるQA員には、品質不正の黙認・隠ぺい・データ改ざんなど不適切なQuality Cultureを見抜く監査能力が求められる。自転車に乗るのに免許証は不要でもセルフトレーニングなしで乗ることはできない。同じくQA業務に免許証は不要であっても、現場、現状、現実を見る、観る、診るトレーニングなしには責務を果たすことはできない。 本講座は、QA員(監査員)に必要とされる力量・知識を一日で学ぶセルフトレーニングの場である。
プログラム
1 Blind complianceからBeyond Complianceの時代へ 1.1 品質リスクマネジメント(QRM)とは 1.2 リスクマネジメントという考え方はいつ始まったのか 1.3 QRMはリスクゼロを目指すものではない 2 Quality cultureが問われている 2.1 コンプライアンスとは 2.2 体質(Quality culture)に問題のある企業の特徴 2.3 なぜ品質不正事案が続くのか 2.4 一変申請のわずらわしさも原因の一つ(行政は変更管理(の支援へ) 2.5 総括製造販売責任者の権限に問題があったのも原因の一つ 2.6 責任役員は行政の目を気にせず自浄力を構築すべき 2.7 そもそも医薬品品質システム(PQS)とは 2.8 マネジメントレビューは責任役員の教育訓練の場 2.9 PQS=Quality Culture=「KPI」で評価 2.10 PQS遂行のために要請される実効性のある教育訓練とは 3 ルールベース監査からリスクベース監査へ 3.1 自己点検は何のためにするの? 3.2 最新GMPが提案する監査・点検とは 3.3 点検者には観察力と提案力がいる 3.4 点検者の力量で指摘レベルは変わる 4 原料供給者監査の留意点 4.1 製造販売業者が原材料供給者管理ができる? 4.2 原料供給者管理の留意点 4.3 資材供給者監査の留意点 4.4 包装工程のチョコ停原因は資材品質の変動(資材品質の取り決めは重要) 5 オープニングミーティングでの留意点 5.1 健康状態等を確認するかチェック 6 監査員の心得 6.1 3現主義(現場、現実、現物をみる)で監査 6.2 監査での4つの慣用語 6.3 監査の仕方の良い例と悪い例 6.4 監査対応者は海千山千の強者かも 7 プラントツアーでのチェックポイント 7.1 プラントツアーで見落としがちなところ 7.2 倉庫のチェックポイント 7.3 用水システムのチェックポイント 7.4 更衣室のチェックポイント 7.5 製剤エリアのチェックポイント 7.6 包装エリアのチェックポイント 7.7 試験検査作業のチェックポイント 7.8 サンプリングの留意点 7.9 生データの信頼性は確保されているか 8 GMP文書管理・記録の監査 8.1 曖昧な指図では適切な記録は残らない 8.2 SOPをみれば企業のレベルがわかる 8.3 記録用紙の発行・配布・保管管理に関する監査員の視点 8.4 記録用紙への記入・修正に関する監査員の視点 8.5 記録の保管に関する監査員の視点 質疑・応答 講師紹介 略歴 元塩野義製薬株式会社製造本部次長 経口剤の連続生産技術開発や凍結乾燥注射剤の工業化検討、無菌製剤棟の構築プロジェクト遂行、 アンプル注射剤・点眼剤製剤包装一貫工場の工場長、中国を始め国内外関連企業への技術支援業務に従事。 退職後は国内および台湾の後発医薬品・医薬部外品・健康食品企業の技術支援、ならびにGMP関連書籍の執筆、講演活動を実施。 著作 「凍結乾燥のバリデーション」(共著)、「GMP・バリデーション事例全集」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ製品標準書作成マニュアル」(共著)、「現場で直ぐ役に立つ 実務者のためのバリデーション手法」(共著)など。