未利用熱の再利用に関する研究,熱音響現象の基礎・概要,熱音響デバイスの計測方法,熱音響デバイスを構築する際に考慮すべき要素について,事例を踏まえ分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
東海大学 総合科学技術研究所 特任助教 博士(工学) 千賀 麻利子 先生
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講のみ ※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。 受講対象 熱音響現象の開発をこれから始める方 予備知識 熱音響現象の概要や基礎からお話するので、特に必要な予備知識はありません。 習得知識 1)基本的な熱音響現象の概要理解 2)熱音響デバイスの計測方法の基礎 3)熱音響デバイスを構築する際に考慮しなければならない要素 など 講師の言葉 現在、工場、自動車、船舶などが使用している化石燃料由来のエネルギーの半分以上は排熱として未利用のまま捨てられています。もしもこれらの膨大な排熱や、太陽熱、地熱などを高効率で回収し再動力化することが可能であれば、地球温暖化や資源枯渇問題を緩和することが出来ます。これらの未利用熱を再利用するために「熱音響現象」によって動作する熱音響デバイスの研究を行っています。熱音響現象は気体の振動、「音波」を使って熱と仕事の相互変換が行われる現象です。この熱音響現象を利用して、「熱から音波を介して仕事を取り出すエンジン」や「音波の入力で熱を低温から高温へ輸送するヒートポンプ」を実現できます。熱音響デバイスは以下のような特徴を持ちます。 ・可動部品を持たない:熱と仕事のエネルギー変換部には動く部品が無くパイプで構成される簡単な構造なのでメンテナンスフリー ・高効率:本質的には可逆サイクルであるため、高いエネルギー変換効率 ・廃熱の再利用が可能:工場廃熱、自動車廃熱、太陽熱など多様な熱源を利用した冷却、昇温、発電が可能 今回のセミナーでは、熱音響現象の概要やさまざまな熱音響デバイスの紹介、熱音響デバイスの試作や計測に必要となるポイントについてお話します。
プログラム
1. 熱音響現象の概要 1.1 背景 1.2 熱音響現象の歴史 1.3 進行波型熱音響機関 1.4 熱音響デバイスの紹介 2. 熱音響現象とは 2.1 熱音響デバイスの構造 2.2 管内音波 2.3 進行波型 定在波型 2.4 仕事流 熱流 2.5 Rottの方程式 2.6 Two-sensor法 3. 様々な熱音響機関 3.1 熱音響機関 3.2 熱音響冷凍機・ヒーター 3.3 熱音響発電機 3.4 多段熱音響デバイス 4. 簡単な進行波型熱音響機関の試作 4.1 蓄熱器 4.2 ループ型、枝付きループ型 4.3 導波管 5. 熱音響機関の課題 5.1 蓄熱器の流路、材質 5.2 リニア発電機 5.3 熱交換器と入熱方法 講師紹介 略歴 2016年4月~2020年3月:東海大学 総合理工学研究科 博士課程 2020年4月~現在:東海大学 総合科学技術研究所 特任助教 約10年間熱音響現象についての研究を行ってきました。 所属学会・協会 日本機械学会 応用物理学会 日本音響学会 日本マリンエンジニアリング学会