実務担当者が困惑する問題解決のヒントを与える
洗浄バリデーションの基礎と残留許容値、
回収率設定および査察での指摘ポイント
【会場/WEB受講選択可】
受講概要
受講形式 会場、WEB受講 受講対象 医薬品、医薬部外品企業の技術部門、品質保証部門、製造部門の実務担当者 予備知識 特になし 習得知識 1)最新の残留許容値の考え方と問題点 2)査察時のチェックポイント 3)スワブ試験法の具体例 4)回収率テストの具体例 講師の言葉 高薬理活性薬の上市増加と共に、交叉汚染リスクに関わる行政の注目度は高くなり、PIC/S GMP第三章/第五章、Annex15の改正、Annex1改正案あるいはPIC/Sの「共有設備内の交叉汚染に関する備忘録」等のガイドラインが多く発出されている、そして洗浄バリデーションの残留許容値の設定は、毒性データに基づく健康ベース暴露限界値(HBEL)が要請され、EMAの「共用施設における健康への影響に基づく曝露限界の設定ガイドライン」、ASTM3219-20、ICH Q7Mガイドライン等も発出されている。しかし、HBELの算出は容易でないし、スワブサンプリングの仕方や回収率テストの手法等、実務者は多くの疑問や問題を抱え試行錯誤を繰り返されているのではないであろうか。 本講は、洗浄バリデーションの実務者として知っておくべき基礎知識と、査察時の指摘ポイントを教示するに留まらず、実務者が抱える諸課題について、演者の経験を踏まえつつ一緒に考えていこうという講座である。
プログラム
1 交叉汚染リスクへの対応が注目されている 1.1 汚染管理戦略の構築が求められる 1.2 汚染管理戦略の一環として洗浄バリデーションマスタープランを策定 1.3 行政のアドバイス(PIC/S-GMP 第五章 製造) 1.4 交叉汚染対策に関する査察時の指摘ポイント(PIC/S備忘録PI043-1) 2 洗浄対象物に思い込みをしない 2.1 洗浄バリデーションは専用設備でも必要 2.2 洗浄対象物は多岐に渡る 2.3 設備材質からの溶出物・浸出物も要注意 2.4 洗浄剤、微生物も洗浄対象 2.5 乾燥終了までが洗浄バリデーション 2.6 非日常的作業後の洗浄にも留意 2.7 分析機器もキャリーオーバーに注意 3 ダーティホールドタイム(DHT)とクリーンホールドタイム(CHT) 3.1 長期間保管後に再洗浄すれば良い?(洗浄対象物が変わっているかも) 3.2 ヒトがいれば発塵する 3.3 環境モニタリングで検出できない汚染物がある 3.4 スモークスタディの要請 3.5 環境モニタリングデータの精度は低い 3.6 床、壁の残留許容値はどう考える? 4 残留許容値の設定 4.1 残留許容値の考え方の歴史 4.2 FourmanとMullin論文が一世を風靡 4.3 0.1%基準、10ppm基準の問題点 4.4 投与量基準から毒性発現量基準へ 4.5 ISPEのRisk Mapp(Baseline Guide)の論点とADE 4.6 EMA(欧州医薬品庁)ガイドラインとPDE 4.7 ASTM E3219-20のHBELの計算式 4.8 HBELの設定は専門知識が必要 4.9 毒性発現量基準の方向性 5 不純物・分解生成物の許容量 5.1 ICH Q3ガイドラインの問題点 5.2 遺伝毒性不純物はどう考えるか 5.3 ICH M7変異原性不純物ガイドライン 6 微生物(発熱性物質)の残留許容値 7 外部からの侵入異物 8 洗浄剤の残留許容値 8.1 各種洗浄剤の特徴 8.2 LD50を用いることの議論 8.3 私見によるまとめ 9 CIP、COPの留意点 9.1 配管のCIPで留意すること 9.2 スプレー装置で留意すること 9.3 Worst case Location 9.4 デッドレグは短く 9.5 SUSも錆びる 9.6 分解洗浄の留意点 10 サンプリング方法の留意点 10.1 スワブ法の問題点 10.2 サンプリング箇所の設定 10.3 どこからどれ位サンプリング? 10.4 接薬表面積の算出例 10.5 リンス法の問題点 10.6 その他のサンプリング法と問題点 10.7 TOCによる残留確認 10.8 サンプルの安定性に留意(Sampling Delay Time、Sample Holding Time) 11 回収率テスト 11.1 回収率テストの例 11.2 回収率の計算 11.3 TOCを使った回収率テスト 質疑・応答 講師紹介 略歴 元塩野義製薬株式会社製造本部次長 経口剤や注射剤の工業化検討、バイアル凍結乾燥製剤製造棟の構築、アンプル剤および点眼剤製剤包装棟の製造管理責任者、国内外関連会社への技術支援業務に従事。