受講概要
受講形式 会場・WEB 受講対象 製造販売業者のコーポレートQA員 製造業者のサイトQA部員 原薬・資材メーカーの監査対応者 など 予備知識 特に必要なし 習得知識 1)単なる書類監査で終わらない実効性のある監査にするためのポイント 2)添加剤メーカー、資材メーカー、製造受託者の選定ポイント 3)倉庫室・製剤室。包装室・試験検査室等のプラントツアー時の監査ポイント 4)文書記録類の監査ポイント 5)監査員としての心得 など 講師の言葉 21世紀のGMPは企業自らが品質・プロセスを継続モニタリングし、潜在リスクの抽出に努める医薬品品質システム(PQS)の構築・実践・レビューを要請する(リスクベース型GMP)。 しかし現実は、内部/外部監査能力が乏しく、熊本県のK研、福井県のK化工、富山県のN工等で長期にわたる承認事項と実作業の乖離という重大不祥事を見抜けなかった。 つまり、チェックシートに依存する「ルールベース型監査」の限界が露呈した。これらの事案を再発させないために、PQSの構築と実践状況、Quality Cultureの不備をチェックする「リスクベース型監査」のできる監査員が求められる。「リスクベース型監査」とはどのように実施するのか、監査員として必要とされる力量・知識を一日で学ぶ講座である。
プログラム
1 最新GMPが求めていること 1.1 VUCAの世界にはPDCAサイクルではなくOODAループで対応 1.2 品質リスクマネジメント手法はOODAループ思考 1.3 医薬品品質システムとは 1.4 製造実態と承認内容の乖離があった 1.5 法令遵守体制の構築要請 1.6 健全なQuality Cultureか? 2 異常(いつもと違う)への備え 2.1 逸脱と異常は違う 2.2 逸脱の回避には異常の軽減が有効 3 ルールベース型とリスクベース型監査 3.1 ルールベース(点検シート)型監査 3.2 点検シートの作成事例 3.3 点検シートでの指摘基準 3.4 ルールベース型監査の問題点 3.5 リスクベース型監査 3.6 リスクベース型監査での視点 3.7 木を見て森(品質保証システム)を知る 3.8 監査員の力量で指摘レベルは変わる 4 原料等供給者の監査で注意したいこと 4.1 重要な原料、資材の分類 4.2 品質は規格で決まる 4.3 要求資材の明確化 5 監査業務のおさらい 5.1 オープニングミーティング時に確認すること 5.2 健康状態等は確認されたか 5.3 あってはならない監査員の姿勢 5.4 求められている監査員の資質 5.5 監査の仕方(良い例と悪い例) 5.6 監査の3現主義(事実は「現物」、「現場」、「現実」に) 5.7 監査対応者は海千山千の強者かも 6 プラントツアー 6.1 廊下を歩いている間も監査 6.2 過誤リスクをみる 6.3 倉庫のチェックポイント 6.4 入荷物取り扱い手順の確認 6.5 マッピングデータの確認 6.6 防虫管理の確認 6.7 更衣室のチェックポイント 6.8 作業室のチェックポイント 6.9 駄目な作業室とあるべき作業状態 6.10 目視検査場所のチェック 6.11 包装室のチェックポイント 6.12 試験検査室のチェックポイント 6.13 サンプリングのリスクチェック 6.14 試験規格外(OOS)の処理手順をチェック 7 GMP文書管理・記録の監査 7.1 そもそも書類の照査・承認とは 7.2 データインティグリティ(DI)対応:紙面記録 7.3 DI対応:電子記録・電磁的記録 (質疑応答) 講師紹介 元塩野義製薬株式会社製造本部次長 経口剤や注射剤の工業化検討、バイアル凍結乾燥製剤製造棟の構築、アンプル剤および点眼剤製剤包装棟の製造管理責任者、国内外関連会社への技術支援業務に従事。 現在は医薬品GMP教育支援センター代表、ハイサム技研顧問、NPO-QAセンター会員として、国内外医薬品企業のGMP関連教育・技術支援を実施。