電磁環境に関する基礎知識,EMC性能を向上させる設計のポイント,EMC性能を向上させるための設計のポイント,電子機器のEMC-DRの際の必要な基礎知識について,具体的事例を踏まえ分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社クオルテック 研究開発部 EMC研究室 室長 前野 剛 先生 株式会社ワールドテック 講師 工学博士 元(株)デンソーEMC担当部長
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講形式 WEB受講 *本セミナーは、Zoomシステム利用によるオンライン配信に変更となりました。 受講対象 企業の研究・開発・設計の技術スタッフの方で中堅クラスの方が望ましい。 ただし、内容にかなり幅を持たせているつもりですので、上記部署の若手の方や品質保証部門の方にも概要は掴んでいただけると考えております。 予備知識 その都度説明しますので現役の技術者の方であれば特に問題ありませんが、 予備知識として大学学部程度の電磁気学と電気回路学を習得されていればより理解が深まります。 習得知識 1)電磁環境に関する基礎知識 2)電子機器そのものにおけるEMC 性能を向上させるための設計のポイント 3)電子機器をシステム化・車載化する際にEMC 性能を向上させるための設計のポイント 4)電子機器のEMC-DR を行なう際にレビュアーとして必要な基礎知識 など 講師の言葉 最近の電子機器は高度情報化(高周波化)とパワエレ化が進み、ノイズを出す側も受ける側も広い周波数範囲のノイズ問題に対応せざるを得ない状況であり、将来的にもEMC対応設計は難しくなる一方です。 この様な中にあって、回路基板設計、筐体への装着、システム化においてノイズ対応に相応しいとは思えない設計も多く散見されます。これらを背景に、ここでは基本に忠実なノイズ対応設計を目指して、システムとコンポーネントの問題の切り分けから、適切な回路基板設計やデカップリング、筐体への装着におけるグラウンド等の取り扱い、適切な筐体・シールドの形状や電磁波吸収体使用の是非、システム化に際するワイヤハーネス、シールド線の配線処理・接地処理などについて述べます。 なお、極力、実製品の事例や実験事例に基づいて物理的な考察を加え、技術者の方の腑に落ちる様な解説を行いたいと考えます。基本は他と同じことですので、自動車用電子システムを例に挙げて解説いたします。高い周波数までの広範囲なノイズを考慮しなければならなくなった現代において、旧い規格やこれまでの設計慣習に囚われているがために問題となっている部分を発見して頂ければ、尚更、幸甚に思います。
プログラム
1 電気電子システムの電磁環境 1-1 ノイズの伝播とEMC規格の種類 1-2 民生機器と産業機器および車載機器におけるEMC 2 車載電気電子システムの現状と将来動向 2-1 自動走行システムとEMC 2-2 車載電気電子システムにおける電磁環境と法規・評価の概要と課題 3 ノイズが電子機器ユニットとシステム化に関わる対応の切り分け 3-1 電気電子システムから発生するノイズとその影響 3-2 システム内におけるノイズの流れ(ノーマルモードとコモンモード) 3-3 電子機器のユニット単体とシステム化における設計上の着眼点 4 電子機器ユニット単体における対EMC設計 4-1 電子機器におけるノーマルモード伝導ノイズの抑制 (1)回路基板内における高周波電力の伝送における実験事例と考察 ~高周波電力伝送の主役は往復配線の中の自由電子ではない~ (2)信号配線間クロストークと伝導流入出ノイズにおける実験事例と考察 ~主な要因は電界結合か電磁誘導結合かグラウンドバウンスか?~ (3)グラウンドパターン設計における事例と考察 ~回路目的毎のグラウンド分離は本当に必要か?~ (4)信号配線パターンとガードトレースにおける実験事例と考察 (5)多層基板における適切な層構成の事例と考察 (6)電子デバイスの選定と使用上の注意事項 4-2 電子機器におけるコモンモード伝導ノイズの抑制 (1)回路基板とグラウンド接続の事例と考察 (2)放熱設計が伝導ノイズの流入出に及ぼす影響と対策 4-3 電磁シールドの効果と弊害 ~回路や製品全体をただ金属で覆えば良いと思ってはいないか?~ (1)電磁シールドの原理と表皮効果等を含む実験事例と考察 (2)筐体の金属化による放射ノイズの抑制と伝導流入出ノイズに及ぼす影響 (3)シールド筐体の適切な形状とグラウンド接続における実験事例と考察 (4)電磁波吸収体のノイズ抑制効果と弊害における実験事例と考察 5 電子機器ユニットの自動車への搭載とシステム化 5-1 搭載場所における電磁環境が電子機器に及ぼす影響と対策 (1)高周波システム間におけるクロストークと対策の事例 (2)低周波の電磁誘導による妨害と対策の事例 5-2 電子システム化におけるEMC問題への配慮 (1)コモンモード雑音電流によるEMIとEMSの対策事例と考察 (2)電動車両のシステム構成例とコモンモードノイズの経路 (3)電子機器間の接続を行うワイヤハーネスの考察 (4)シールドワイヤの配線処理と接地方法における実験事例と考察 ~配線端部の処理と外部導体接地点数などの考察~ 6 設計の手順とEMC-DR 質疑・応答 講師紹介 略歴 東北大学工学部 通信工学科 卒業後 1972年 株式会社デンソー入社 VHF/UHF無線機、自動車用ソナー、ナビシステム、ボデー系電子機器などの車載電子機器の開発・量産化に従事した後、携帯電話/自動車電話の品質保証部長を務め、その後 EMC 担当部長としてEMC 全社統括に従事。 2008年 定年退職、その後、再雇用され嘱託社員としてEMC に従事。 2009年 名古屋工業大学大学院工学研究科博士後期課程 終了 2012年 株式会社クオルテックに入社~現在に至る 専門・研究分野 高周波回路、EMC対応技術 所属学会 電気学会、電子情報通信学会、自動車技術会、各会員