嗅覚センサの要素技術とその課題を学ぶための
嗅覚のセンシング技術
~正しく測定するための基礎からニオイを定量化・可視化する解析技術まで~
【WEB受講(Zoomセミナー)】
嗅覚センサの基礎,嗅覚センサシステムの構成要素・技術課題, MSSの動作原理・データ解析を含む周辺要素技術の最新情報,アプリケーション例・社会実装に向けた課題について分かりやすく解説する特別セミナー!!
- 講師
国立研究開発法人物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 電気・電子機能分野 嗅覚センサグループ グループリーダー 博士(理学) 吉川 元起 先生
- 日時
- 会場
- ※本セミナーはWEB受講のみとなります。
- 受講料
- (消費税等込み)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
- テキスト
受講概要
受講対象 嗅覚センサシステムを研究開発者している方 嗅覚センサを用いたビジネスを検討している方 嗅覚センサに興味がある方 鼻って不思議だなと感じる方 企業、大学や各種研究所などの研究機関、その他 初心者の方から専門の研究者・エンジニアの方まで 予備知識 物理・化学・生物・工学・情報科学などの基礎知識があればより分かりやすいと思いますが、 可能な限り予備知識無しでも理解できるよう説明します。 習得知識 1) 嗅覚センサの歴史と現状 2) 嗅覚センサシステムの構成要素と技術課題 3) MSSの動作原理と、データ解析を含む周辺要素技術の最新情報 4) 嗅覚センサのアプリケーション例と、社会実装に向けた課題 講師の言葉 五感のうち、最もデバイス化が遅れているのが「嗅覚」です。 人工嗅覚の実現を難しくしている要因は多岐にわたりますが、感度・選択性・応答速度・再現性・簡便性などそれぞれに相反しがちな特性のバランスを取り、アプリケーションに応じて最適化することが重要になります。 一方で、人間や犬を含む生物の嗅覚は、進化の過程で洗練され、これを上手く実現しています。 そこで本講演では、まず生物の鼻と人工の鼻(嗅覚センサ)との違いについて紹介し、嗅覚センサを開発するために必要な技術要素を概観します。 また、嗅覚センサの実現に向けて、過去40年近く世界中で行われてきた様々な取り組みについて紹介し、これらを踏まえて、これまで我々が行ってきた総合的な研究開発を紹介します。特に、嗅覚センサに要求される要素を網羅した膜型表面応力センサ(MSS)を軸に、最先端のハードウェア(センサ素子+感応膜など)とソフトウェア(機械学習など)について、それぞれの基本的な原理から、それらの要素を統合する研究開発までを解説します。 さらに、嗅覚センサに関する世界最大の産学官連携の取り組みと、その最新情報についても併せて紹介します。
プログラム
1.はじめに 1-1 嗅覚センサの歴史 1-2 生物の嗅覚と嗅覚センサの違い 1-3 嗅覚センサシステムの要素と相互関係および技術課題 2.MSSと周辺技術の研究開発 2-1 ナノメカニカルセンサについて 2-2 カンチレバーからMSSに至る経緯の技術的解説 2-3 MSSの動作原理と各部の役割について 2-4 感応膜の設計と各種被覆方法の可能性と課題 2-5 MSSの応用例 3.産学官連携による最先端技術の垂直統合 3-1 MSSアライアンスについて 3-2 新・MSSフォーラムについて 4.機械学習との融合 4-1 ニオイの特定指標の定量推定 4-2 擬原臭によるニオイの定量化と可視化 4-3 伝達関数比法によるフリーハンド測定 5.別のアプローチ 5-1 逆転の発想による「固体材料のパターン認識」 5-2 名刺でもできる質量分析「流体熱力学質量分析」 5-3 世界最高感度のガス分析の紹介 6.まとめと今後の展望 6-1 アプリケーションの分類 6-2 生体ガスによる非侵襲性医療診断の動向と課題 6-3 MSSによる医療現場での呼気測定方法の研究開発 6-4 嗅覚センサ開発における重要な基本認識 6-5 最先端の実証実験状況と将来展望 質疑応答 講師紹介 2004年 東京大学大学院理学系研究科博士過程修了・博士(理学) 2005年 東北大学・金属材料研究所助教 2007年 バーゼル大学・客員研究員 2009年 NIMS・ICYS研究員 2011年 NIMS・MANA独立研究者 2016年 NIMS・グループリーダー 所属学会 応用物理学会など