受講概要
受講対象 受講対象者は、主に下記になりますが、関心のある方ならどなたでも受講できます。 機械・構造物の開発・設計者 (自動車,鉄道,航空機,船舶等の輸送機器,重電,土木建築,海洋構造物 等) 予備知識 特にありませんが、力のつりあいなど、物理の基礎知識があると理解が進みます。 基本の部分も解説しますし、講師と受講者とやり取りしながら講義を進めますので、 未経験の方でも大丈夫です。 習得知識 1)応力やひずみと言った材料力学の基礎的な概念の習得 2)棒の引張り圧縮,はりの曲げ変形,静定・不静定問題の考え方 など 講師の言葉 材料力学は、その名の通り機械構造物を構成する材料そのものの変形を取り扱う学問です。 機械構造物の安全性・安定性・信頼性などを確保するために、理解しておかなければならない機械工学科目の1つです。 材料力学はとっつきにくい学問と感じられる方も多いかもしれませんが、実は「力」の釣り合いと「モーメント」の釣り合い、そして材料の変形は線形的であるというフックの法則さえ理解していれば、大抵の問題に対応することができます。 本講義では、なぜ材料力学を理解する必要があるのか、から始まり、モーメントを利用しない材料の引張りや圧縮変形、そしてモーメントの出てくる「はり」の問題まで、材料力学の基礎的な部分を解説します。 また、材料力学には「不静定問題」という、高校までの物理では解くことのできない、いわゆる材料力学特有の問題があります。そのような「不静定問題」についても丁寧な解説を加えます。
プログラム
1.材料力学の基礎 1.1 応力とひずみ 1.2 フックの法則 1.3 安全率の考え方 2.引張りと圧縮による変形 2.1 自重によるはりの変形 2.2 不静定問題 2.3 熱応力 3.はりのせん断力と曲げモーメント 3.1 せん断力と曲げモーメント 3.2 せん断力図(SFD)と曲げモーメント図(BMD) 4.はりの曲げ応力 4.1 はりの純曲げ 4.2 断面二次モーメントと断面係数 5.真直はりのたわみ 5.1 たわみ角とたわみ 5.2 片持ちはりのたわみ 5.3 支持はりのたわみ 6.はりの不静定問題 6.1 一端固定,他端支持はり 6.2 両端固定はり 7.質疑応答 講師紹介 略歴 1995 年 京都大学 大学院工学研究科 物理工学専攻 博士後期課程 修了 1992 年 京都大学 大学院工学研究科 物理工学専攻 修士課程 修了 1990 年 京都大学 工学部 機械工学科 卒業 2011 年04 月 - 現在 岐阜大学工学部機械工学科 教授 2010 年08 月 - 2012 年07 月 文部科学省 研究振興局 学術調査官 2004 年10 月 - 2011 年03 月 岐阜大学工学部機械システム工学科 准教授 2001 年09 月 - 2002 年08 月 デルフト工科大学(オランダ) 客員研究員 1995 年04 月 - 2004 年09 月 大阪大学工学研究科 助手 おもな専門分野・研究分野 疲労・材料強度・破壊・継手・積層造形 所属学会 日本材料学会 日本機械学会 自動車技術会 日本鉄鋼協会 溶接学会 高圧力技術協会 摩擦接合 技術協会