査察によるリスク回避のための仕組みと記録のチェック&レビューの方法と注意事項について
豊富な事例を交えて解説する特別セミナー!!
- 講師
株式会社ミノファーゲン製薬 顧問 脇坂 盛雄 先生
エーザイ(株)の品質管理/品質保証に30年勤務を経て、現在に至る。他2社の顧問を兼務。
- 日時
- 会場
- 受講料
- 1名:48,600円 同時複数人数申込みの場合 1名:43,200円
- テキスト
受講概要
予備知識
品質保証に関連する方なら特に必要なし
習得知識
1)無通告査察の背景と結果 2)PMDA/県の査察・指摘事項 3)FDAの査察とウォーニングレター 4)文書管理上の注意事項 5)出荷承認の注意点 6)委託製造所,外部試験機関管理の注意点
講師の言葉
無通告査察を行うよう当局から都道府県に指示がだされ、かつ和歌山県の山本化学工業の問題を受け、それが強化された。 それにより、今まで以上にSOP/指図/記録は重要になり、査察時に必ず見られ、そこに矛盾や誤りがあると、 製造/試験自体が疑われる。 疑われるとさらに徹底的に調査を受けることになる。苦情対応が不備であれば、そのために 製品回収につながるなど、査察によるリスクが高まっている。そうならないための仕組みと記録のチェック&レビューの 方法と注意事項について紹介する。 そのためには査察での指摘事項を把握しておくことが何よりも重要になる。他の製造所で指摘された項目は 指摘される可能性が高い。 FDAの査察では、査察官の名前がわかるとその査察官が過去の査察で指摘した資料(483Form)を取り寄せ、 その対応/回答を用意するのが基本である。PMDAの場合はどの査察官がどんな指摘をしたかはわからないため、 過去に行われた査察での指摘事項が自製造所で出来ているかを確認し、未対応なら対応/回答を用意する。それについても説明する。 無通告査察になると、これまで以上にGMPの順守と5Sが求められる。それを担うのは一人ひとりである。 「人が創る品質」、そのためには人の質を高めることが急がば回れの政策になる。
プログラム
1.無通告査察 1)無通告査察の背景 2)無通告査察の通知 3)無通告査察の結果(PMDA) 4)和歌山県 山本化学工業から学ぶこと 2.査察によるリスク 1)GMP適合性調査が適合にならずに承認が遅れる 2)委託先のGMP適合性調査時の不備発見で顛末書提出 3)他社のGMP適合性調査の影響により自社品の製品回収 (1)韓国原薬メーカー (2)水虫薬の原薬メーカー 4)GMP不備による製品回収 3.PMDA /県の査察 1)GMP適合性調査 2)製造販売業更新(GQP)査察 3)準備と当日の体制 4)指摘事項と対応 5)GMP不備による製品回収/GMP適合性不適 (1)韓国原薬メーカーのGMP不備による製品回収 (2)国内水虫薬原薬メーカーのGMP不備による製品回収 (3)イタリアの製剤製造所のGMP不備による適合性不適 (4)その他 GMP不備による製品回収 4.FDAの査察 1)準備と当日の体制 2)システム査察 3)ラップアップミーティングでの対応 4)フォーム483への対応 5.FDAのWarning Letter/データインテグリティ 1)Warning Letter 2)データインテグリティ 6.QAによる文書管理上の注意事項 1)SOP 2)製造指図記録書 3)逸脱報告 4)苦情報告 5)変更管理 6)自己点検 7)教育訓練 8)CAPA(是正予防処置) 7.QCとQAが絡む文書管理上の注意事項 1)OOS/OOT (1)OOS/OOTについて (2)ラボエラー調査 (3)製造工程の調査 (4)再試験実施の問題点 (5)再サンプリング時の問題点 2)品質情報対応 (1) 製品苦情 (2) 原料・資材の不良 8.QAによる製造記録のチェック 1)原料・資材の指図 2)計量工程 3)仕込み工程 4)混合・造粒・整粒工程 5)打錠・充填・分封工程 6)注射剤(ろ過・滅菌) 7)外観選別 8)ラベル貼付・包装工程 9.QAによる出荷承認の注意点 1)製造所出荷と市場出荷 2)GQPとの関係 3)逸脱・OOSの確認 4)変更管理(軽微・一変申請)有無の確認 5)市場出荷の判定 10.委託製造所の製造管理/品質管理の確認 1)品質の取決め事項 2)逸脱発生時の確認 3)OOS/OOT発生時の確認 4)委託製造所のOOSトラブルによる欠品リスクの事例 11.外部試験機関の管理 1)試験委託契約 2)OOS/OOT発生時の対応 12.原料の使用期限管理(PMDA指摘事項による製品回収) 1)原料メーカーの保証 2)自製造所での担保データによる保証 3)使用期限切れが使用されない仕組み 13.サンプリングの注意点 1)第三者によるサンプリング 2)サンプリングの方法 3)サンプリング時の注意事項 4)サンプリング数 5)サンプリングと試験のタイミング ・先行サンプル ・添付サンプル ・中間製品での出荷試験代用 14.標準品等の管理 1)国の標準品とのトレーサビリティ 2)二次標準品設定 3)製剤の標準品は99.0%以上の活用 4)ファクターのある試液/試薬の管理 (1)自ら作成/検定する場合 (2)購入する場合 (3) 都道府県の指摘 15.製造販売承認書との齟齬 1)齟齬による製品回収の事例 2)齟齬が発見された時の判断のディシジョン・ツリー 3)発見された時の実際の当局への報告対応事例 4)齟齬を防ぐには 16.GMP査察指摘事例 1) PMDA GMP適合性調査 実地調査時の指摘事項 2)日本医薬品原薬工業会主催講習会 3)日本医薬品原薬工業会会員会社12社における海外行政の査察について 4)東京都健康安全研究センター 5)大阪府におけるGMP指摘事項 6)FDAのシステム査察のポイント 7)Warning Letter に見るFDAに指摘事項 8)その他 17.偽造を見つけるための査察(PMDAが行うと想像される項目) 1)逸脱/OOS/苦情などの事例を深堀する 2)日付に注目する 3)サイン日の出社を確認する 4)紙の白さに注目する 5)収率に注目する 6)受け入れ試験から出荷までの製造工程を一貫して記録を見る 7)作業者に個別ヒアリングを行う 8)プラントツアー時に現場の記録等を確認する 9)倉庫の原料を確認する 10)倉庫の入荷ログ(リスト)を確認する。 11)生データを確認する 12) サンプリングではなく全てのロットを確認する など 18.人が創る品質/FDAのQuality Cultureの醸成(無通告査察に備える)